ある愛のうた。13
名門武蔵森はサッカーの強豪。
今日も厳しい練習が続きます。
「藤代なにヘバッてやがる。ラスト、この前のフォーメーションの確認いくぞ。とっとと立て、コラ。」
「み、三上センパイちょっとタンマ‥‥。うー‥‥。」
「あれー、なに藤代、珍しいねぇお前がへばるなんて。何か悪いものでも食べた?」
「あ〜?ンだよ中西、コイツ拾い食いでもしてたか?」
「さぁ?俺は見てないけどー。」
「センパイ達、酷いっすよ‥‥。いくら俺だって拾い食いなんてしませんっ。」
「いやお前ならできる。頑張れ藤代!」
「‥‥バカな応援してんなよ中西‥‥。っつか、マジにどうしたんだよオマエ。何かあった?」
「うー‥‥。昼飯が‥‥。」
「は?‥‥昼飯?」
「やっぱり拾い食い‥‥。」
「あ、今日誠二、昼飯食ってないんですよ。」
「笠井。そっちもう終わったのか。っつか、え、何コイツ食ってないの?」
「はい。」
「珍しい事もあるもんだねぇ、三度のメシと三上は残さず食す藤代が。」
「‥‥‥‥。中西、テメェ今何か不穏当なことを言わなかったか?ぁあ?」
「別にーぃ?で、笠井。なんで藤代メシ食ってないの?」
「ああ、何でも授業中眠りっぱなしのコイツに、廊下に立ってろだとか追加課題とかそういう罰がどうにも効きが悪いって誠二のところの担任と2年の学年主任がキレちゃって。で、どんな罰なら一番コイツに堪えるかって模索した結果『寝たらメシ抜きの刑』に落ち着いたらしいです。」
「‥‥‥‥‥‥。」
「因みに昼休憩中は、先生たちがご飯食べてる教務室に縛り付けられてましたね。」
「‥‥‥‥なら、部活前にでも購買でなんか買うとか‥‥。」
「購買にも名指しで販売禁止の通達を出してたらしいですよ。」
「はー‥‥。」
「徹底的だねぇ‥‥。」
「うー‥‥腹減った‥‥。」
「‥‥。まぁ、藤代お前が辛いのはわかったけど、其れと此れとは話が別だ!オラ、立って配置!!」
「スパルタだねぇ、かっこいいアキー。」
「中西もアホなこと言ってないでとっとと行けよ。‥‥ほら、藤代!!」
「ムリっす、もう燃料カラです‥‥。」
「クルマはエンプティランプが点いてからでもしばらく走る!立ーてー!」
「センパーイ、腹が減っては戦は出来ぬっていうじゃないっすかー。」
「これからやるのは戦じゃなくて練習だ!ったく、コレ終わったら解散だろうが、そのあとすぐ晩メシ食いにいけるだろ。」
「人生は常に戦いの連続ッス!!‥‥まぁもっとも、」
「‥‥?」
「センパイが闘ってたら、俺どんなに腹減ってても、助けに駆けつけるけどさ。」
「‥‥っ、何言って、」
「ホントですよ、絶対に絶対に行って、守るから。」
「‥‥‥‥‥‥。」
「恋人ッスからねーv」
「‥‥。バーカ、なんかに助けてもらうほど俺は落ちぶれちゃいねーよ。」
「あ、酷、三上センパ」
「後ろなんざ気にすんな。‥‥お前はフォワードだ。FWならFWらしく、MFのこと‥‥俺のこと信じて、前向いて、走って闘ってりゃいいんだよ。‥‥そしたら、俺が後ろからお前のこと助けてやるから。な?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥。」
「‥‥あー、ったく何言わせんだよお前はッ!いいから藤代さっさと配置に‥‥」
「‥‥ッみっかみセンパーイッッ!!!」
「?!ッ、ぅぎゃァァッ!!!」
「可愛いー、マジ可愛いッスセンパイ!!食べちゃいたい、っつか食っていいっすか?!」
「は?あ、ちょっと待て藤、」
「待てません!腹減ってるって再三言ってるじゃないっすか!!中西センパイも言ってたけど俺は三度のメシと三上センパイは残さず食う主義です!!」
「アホかァッ!!、や、ちょっと何処触って‥‥ッ、」
ドカァッ!!!!
「‥‥‥‥‥‥‥‥。」
「全く誠二ってば‥‥。」
「‥‥え、か、笠井‥‥?」
「三上先輩も迂闊にエサを与えないで下さいよ、それじゃなくても腹が空いてる上に直ぐにつけあがっちゃうんですから。‥‥あ、先に辰巳先輩との連携試してたらいいんじゃないですか、中西先輩、さっきから向こうで待ってますよ。」
「いや、それは‥‥‥っていうか藤代‥‥。」
「ああ、誠二はFWなんですからDFに削られるのくらい慣れてますよ。大丈夫大丈夫〜。」
「や、削りっつか、さっきのはかかと落としじゃ、」
「FWのコイツが攻めるのが仕事なら、守るのがDFの仕事ですv‥‥俺も腹が減ってるんですよね、早く終わって寮に帰りたいんです。さ、早く。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥はい。」
さすが名門武蔵森。
日々の練習は斯くも辛く厳しき物也哉。
強制終了!
■アトガキ。(09.15/2002)
久々に書いたのでイマイチ波に乗れない文章だ。
シリアス用に用意してたネタなので、ちょっと甘いっすか?
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