ある愛のうた。15






今日は7月7日、七夕です。七夕飾りをしつらえましょう。




「‥‥よ、う、に。っと。うっし書っけたー。」
「根岸。」
「お、辰巳ー。ちょうど良いとこに来た。なぁなぁ、コレ付けてくんねぇ?」
「コレ?‥‥ああ、短冊か。」
「おう。」
「いいけど‥‥笹飾りなら目の前にあるんだし、自分でつければいいだろう。」
「だぁからー、どうせなら高いところにつけたいじゃん?なんかそのほうが願い事達成率高そうだし。」
「‥‥そういうものか?」
「気分の問題だって。無駄に高い身長生かしていっちょ頼まぁ。」
「(無駄‥‥。)‥‥わかった。」
「サンキュー♪」

「そういえば願い事って何書いたんだ?」
「ん?別に見てもいいぜ。」
「ええと、『世界が平和になりますように。』?‥‥随分和やかと言うか、なんというか‥‥。」
「何に巻き込まれるかわかったモンじゃねぇ物騒な世の中だからな。ここらで神頼みのひとつでもしといたほうが無難だろ。」
「いや、七夕は神様関係なくないか。」
「だぁから気分の問題だって。まぁ別にこんなん本気になって書くほどのことでもねーし、適当にってのが本音か。平和に越したこたぁねーしな。っつか辰巳は?もう書いたのか?」
「ああ、その辺につけたぞ。」
「ふーん、何て書い‥‥」

「さーさーのーはーサーラサラ〜☆っと。あ、辰巳センパイだー、チーッス!」
「騒音被害で損倍賠償請求されたい?誠二。‥‥根岸先輩、こんにちは。」
「おー、藤代に笠井じゃんか。お前らも短冊つけに来たのか?」
「そうっす!って、あー!辰巳センパイ特等席に短冊付けてるしー!ちょっとタッパあるからってズルいッス!」
「ズル‥‥ていうか特等席?」
「俺がてっぺんにつけたかったのに!」
「ああ、一番上にね‥‥。」
「ズルいーズルいー。」
「ああ、解ったから、てっぺんにつけてやるから‥‥。」
「おう、辰巳の無駄に高い身長をお前らも利用するがいい!」
「(だから無駄って‥‥。)‥‥ホラ、短冊寄越せ。」
「やったぁ♪」
「藤代、願い事何書いた?」
「根岸センパイは何書いたんスか?」
「はっはっは、お前には想像もつかない世界の真理に迫る高尚なことだ。」
「‥‥お前、さっき本気になって書くほどでもないとか言っ」
「笠井は?」


俺はまるっと無視か根岸!←辰巳良平、心の声


「俺は『試験に合格しますように』です。」
「ふぅん?期末テスト‥‥はもう終わったか。笠井、なんかテスト受けんの?」
「ええ、近々実家のほうで。」
「ああ、解った。昇忍試験か。」


え、笠井忍者設定?!←辰巳良平、心の声


「んー‥‥微妙なんですよねぇ、まだまだ未熟で‥‥。」
「なぁに弱気になってんだよ、自信持てって!この間のアレ、すごかったじゃん!」


アレってどれですか根岸ー?!←辰巳(以下略)


「アレですか‥‥。うーん、渋沢キャプテンにはいい感じにかかってましたね。」
「ああ、俺もそう思うぜ。」
「でも結局中西先輩には効かなかったですし‥‥まだまだです。」
「そんなことねぇって、辰巳にはバッチリかかってたじゃんよ。」


「いつ何にかけられてたんだ俺ー?!」


「ああ、辰巳先輩。‥‥いや、お気になさらないで下さい。」
「そうだぞ辰巳、後輩の修練の役にはたってやらねぇとさ、先輩なんだから。」
「そういう問題じゃ‥‥!」
「終わったことにかかずらってないで、前向いて行けよ、フォワードだろ?」
「いい経験をさせてもらいました。」
「‥‥‥‥‥‥ッ!!」


辰巳良平、すでに心の言葉にもなりません。


「で、藤代は‥‥って、あれ?あいつドコ行ったんだよ。」
「ああ、三上先輩のところじゃないですか。」
「へ?何で。」
「アイツの短冊に書いた願いが三上先輩関連だからです。」
「あ、なーる。効果の程を確かめに行ったってワケか。」

「‥‥‥‥‥‥‥‥ちょっと待て、アイツ短冊に何て書いたんだ?」
「何って。辰巳先輩、短冊渡されたんだから見ればいいじゃないですか。」
「いや‥‥さすがにこう、ジロジロ見るのはなんだし‥‥。」
「見られたからって恥ずかしがるような精神持ってたらそれは誠二じゃないですよ。」
「そうだな、藤代なら天の川でイチャついてるヤツらに『宜しくお願いしまっす!』とかって短冊突きつけにいきそうだよな。」
「お前らの藤代観は一体‥‥。」
「え、正確に捉えてると思いますけど。」
「だよなぁ?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥まぁ、かといって改めて見るのもな‥‥。」
「まぁはやい話が三上先輩との性生活につい‥‥」
ますます見る気が失せたから言わないでくれ、笠井。
「そうですか?辰巳先輩がそういうなら言いませんけど。」
「辰巳もさぁ、もう3年なんだから慣れようぜ?」
「‥‥‥‥‥‥慣れとかそういう問題じゃ、ないだろう‥‥。」
「えー、そっかぁ?慣れだろ。‥‥あ、そうだ笠井。」
「はい、何ですか?」
「慣れっつったらさ、なんならこの間の例の、辰巳で試


「何か知らないが心の底から遠慮します。」


「‥‥残念、慣れるにはアレいいだろうに。」
「駄目ですよ根岸先輩、無理強いしちゃ。」
「そっか?」
「まぁそのうち‥‥ね。」
「そうだよなー試験も近いんだから、あとは修練あるのみだよな!神頼みはもう済ませたしな。」
「はい。‥‥っと、これでよし、と。」←短冊つけ作業、了
「頑張れよ、応援してっからな。」
「ありがとうございます。‥‥あ、もう食事の時間ですね。」
「あ、ホントだ。笠井ー、今日一緒に食おうぜー。」
「そうですね、どうせ誠二部屋から出てこないだろうし。」
「三上も来ないんなら渋沢も誘うか。」
「渋沢キャプテンがいると食堂の席確保しやすいですよね。」
「さすがは守護神様ってなー。‥‥あ、辰巳、先行ってっからー。」
「辰巳先輩の席も確保しておきますね。お先に失礼します。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」




「あれぇ?辰巳ー。どうしたの、ヘタっちゃって。」
「‥‥‥‥‥‥中西か。」
「ああ、七夕飾りかぁ。短冊つけ?辰巳は何書いたのさ。」
「‥‥‥‥‥‥その辺にある。」
「っと、これだねぇ、ええと?『寮内が平和であるように。』へぇ‥‥。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」


「辰巳はさぁ、『寮内が平和』より『俺が平和であるように』って書いたほうがいいと思うよぉ?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」




何に巻き込まれるかわかったモンじゃねぇ物騒な寮内なので、神頼みをお薦めします。(神様関係ないけどね)




了。






■アトガキ。(07.07/2004)

日付を偽っています(笑)(本当は既に8日です)(書き始めたのが7日の23時30分)
本当は中心に中西が来るはずでしたが、いつの間にやらネギちゃんと笠井に。ネギの喋りが微妙に定まっておりませんが、中西ほどに語尾延ばし調ではなく、微妙に巻き舌、かな?そして明るく先輩らしく。

back