ある愛のうた。7






松葉寮の退室時間は午後10時。
基本消灯時間は午後11時です。
退室時間と共に、寮長及び階段長が各部屋を回り寮生の在室をチェックします。 単純作業な割に、結構疲れる作業です。





午後10時24分・3年居室域にて。





「三上、悪いが英和貸してくれ。」
「あぁん?珍しいなオマエが持ってないなんてよ。‥‥ホラ。」
「中西が持っていったままなんだ。‥‥すまんな。」
「レンタル料にコーヒー。」
「日本茶じゃ駄目か?飲みたいんだが。」
「お茶請けつけたら、オッケー。」
「じゃぁ『祇園辻利』の抹茶コロンな。」



「ああ、いいなぁやはり冬は日本茶だな‥‥。」
「渋沢、オマエそれ夏にも言ってたぞ。」
「コタツに入って、日本茶。‥‥幸せだな‥‥。」
「ハイハイ。あ、此れ美味いな。あんま甘くなくて。」
「だろう?京都の伯母の土産だ。好きなんだ此処の菓子。」
「京都かぁ、豆腐食いてェな。冬だったら雪も綺麗だろうし。」
「そうだな、夏の湯豆腐もいいが、雪見がてらの冬の湯豆腐は格別だぞ。」
「冬の風物詩だなぁ‥‥。」
「なんなら冬休み来るか?俺は向こうに帰るから。」
「って、いいのかよ?」
「いいよ、俺は直系なわけでなし、末席の子供がひとりくらい増えても多分判らないだろう。」
「‥‥おいおい。」
「冗談だ、祖父に話を通しとけば大丈夫だよ。」
「んー‥‥。」
「飯、美味いぞ?」
「行く。」
「‥‥ま、どれも此れも進級試験を乗り切ってからだな。」
「おう。‥‥あ、渋沢英語の此処の和訳教えてくれ。」
「ああ、其処は関係代名詞が‥‥あ、辰巳?」
「へ?辰巳?オマエ何してんだよ、そんなとこ突っ立って。‥‥って、ああもう退室時間か。」
「見てのとおり二人ともいるぞ。」
「‥‥ッえ?!あ、ああ。」
「ちょーどいいや、辰巳オマエ英語のワーク全部済ませたっつってたろ、ここの訳教えろよ。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥。」
「‥‥おい、辰巳?」
「‥‥‥‥えッ!!ああななななんだッ?!」
「いや、何だはこっちの科白なんだけど‥‥。」
「??どうした、なにか問題でも‥‥、」
「い、いや!!なんでもないんだ!!勉強頑張れよッ!!」



バタンッ!!



「頑張れって‥‥。」
「何かあったのか?ウチの階段長は。」
「ま、アイツの苦労性はいつもの事か。」
「そうだな。‥‥で、この訳はthat以下の文が‥‥、」





パタシパタシパタシ。(←廊下をスリッパで歩く音)

「そうだよな、これこそ正しい中学生の姿だよな‥‥ッ!!」

辰巳階段長、清く正しい日常を噛みしめている模様です。










午後10時37分・2年居室域にて。





「竹巳竹巳、『サッカーマガジン』見せてー。」
「いいけど‥‥誠二、ちょっとは勉強しなよ。」
「ん?大丈夫大丈夫、してるって♪」
「ウチ私立なんだからさぁ、落第留年もあるんだし。」
「大丈夫だって!去年もこの時期に同じ科白聞いたよ?それに竹巳ってば俺の心配してないじゃん。」
「当たり前だろ、お前が落第するのも留年するのも勝手だけど、同室者として俺が恥ずかしい。」
「あはは、いいなー竹巳のそういうトコ凄い好きだなー。」
「じゃぁ誠二が凄い好きな笠井クンに笠井クンの好きな三上先輩を譲ってくれ。」
「ははは、却下vv」



「‥‥お腹すいた。」
「ん?竹巳がそういうこと言うの珍しいなぁ。‥‥コレやるよ。」
「何‥‥?あ、『Melty Kiss』だ。」
「これ見るとさぁ、冬だな〜って気がしない?」
「するする。‥‥ワリとサッパリしてて好きなんだよね、このチョコ。あんま甘くないし。」
「だよな。‥‥あのヒトも、結構好きなんだよねvv」
「ああ、三上先輩?何、コレあげたの?あのヒト甘いの苦手じゃない?」
「う〜ん?あげたって言うかぁ‥‥。」
「じゃぁ使ったの?」
「大正解〜vv」
「‥‥ああ、コレすぐに溶けるし、都合がいいか。」
「そう♪潤滑ゼリーってさぁ、結構マズイんだよ舐めると‥‥。高価だし。普通のチョコよりか溶けやすいし、そのまま挿れるのにも大きさ、丁度いいから。」
「ふぅん。誠二ゼリー使ってんだ、結構労わってるんだね先輩のこと。」
「まぁね〜。痛がってる顔もサイッコー可愛いんだけど、やっぱ気持ちイイ顔してるのが一番ソソるっていうか。ホント可愛いんだよあのヒト。」
「チョコレートプレイはお気に召したわけか。‥‥そういえばちょっと前に流行ったよねぇ、エッチな気分になれるチョコ。」
「ああ、あったよなー。俺実物見たことないんだけど。」
「そういえば中西先輩がちょっと前に持ってたっけ。」
「‥‥分けてくれると思う?」
「んー?あのヒト気分屋だしなぁ。」
「煙草1カートンくらいでいけるかなぁ。」
「何、誠二そんな欲しいわけ?」
「冬と言ったらチョコレートプレイでしょう。センパイも気に入ってるしさ♪」
「‥‥あ、そっか誠二冬休み中に誕生日あるもんね。」
「そうそう。誕生日だし〜、ちょーっとくらい冒険してみてもいいかなぁとかvv」
「三上先輩、イベント関係に弱そうだもんね。」
「センパイの誕生日も近いしvチョコとかー、マフラーとかー。ああ、冬っていいなぁ‥‥。」
「マフラー?あ、ネクタイの代わりかぁ。」
「いつか試してやろうと画策中ですー。」
「いいねぇ、なんか冬の風物詩だね。‥‥あ、辰巳先輩。」
「あー辰巳センパイだーvあ、巡回ッスか?お疲れさまです!」
「‥‥‥‥‥‥‥‥。」
「二人とも揃ってます。‥‥‥‥先輩?」
「アレ?どうしたんですかちょっと、何泣いてるんスか?」
「‥‥‥‥なんでもない‥‥。」
「お腹でも空いてるんですか?あ、チョコならありますけど、」
「いいいいいや遠慮しとくッ!!早く寝ろよッ!!?」



バタンッ!!



「‥‥どうしたんだろ、辰巳先輩。」
「チョコレイト嫌いだったのかな?」
「疲れてるときにはチョコが一番なのにね。」
「まぁ、センパイいっつも疲れてるし、大丈夫か〜♪」
「そうだね。」
「でさぁ、そのチョコなんだけど‥‥」





パタシ、パタシ、パタシ。(←廊下をスリッパで歩く音)

「‥‥‥‥‥‥。正しい中学生の姿‥‥ッ!!」

辰巳階段長、清くも正しくもない日常を噛みしめている模様です(オプション・涙)。





松葉寮の退室時間は午後10時。
基本消灯時間は午後11時です。
退室時間と共に、寮長及び階段長が各部屋を回り寮生の在室をチェックします。
単純作業な割に、結構、いや強烈に疲れる作業のようです。




強制終了。






■アトガキ。

チョコレイトプレイはどちらかというと夏にお薦めです藤代くん(お薦めすんなッ(怒)!!by三上)
渋沢と三上の日常はあんな感じでいてもらいたい。
渋沢の父方の祖父の家が京都にあるという設定です。
結構いいトコの家な模様。お約束ですか?
『辻利』の抹茶コロンが好きなのは私です(笑)
寮のシステムはイマイチ判らんですな。おかしいな、3年も寮生活送ったのにな(笑)
階段長というのはフロアごとの管理生です。私はこれでした。

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