自分の住んでいるこの国には四季というものが存在して、春と夏と秋と冬と、順番を間違う事も無けりゃ今年は夏がなかったななんてこともなく、毎年必ずやって来る。
それは毎年必ずなわけで、春も夏も秋も冬も、もう14回きっちり体験してきていて、そして今は15回目の冬を間近に控えてるわけだ。
15回、というのはどうだろう。
‥‥どうだろう、って言われても困るか。困るよな。俺なら困るな。いやまぁ俺が質問してるんだから困っても困ることはなくはないこともない‥‥って、なんだか思考が混乱してきた‥‥いやいやそうじゃなくて。
15回。同じこと、同じ季節を、15回。
同じことを15回、というのは、多いんじゃないだろうか。
多いだろ。多いよな。
だって同じことを、だぜ?
雨の代わりに雪が降って空は痛いくらいに青みを増して毎年毎年厭きもせずに今年は暖冬ですなんてニュースキャスターは話しまくり年の瀬7日前には夜更け過ぎに雪へと変わる雨のイブにフラれるオトコの歌がいい加減にしてくれってほど流ることは確実で小林と美川の今年の衣装はいくらかけてんだろうとコタツの中で何故か気になったりしつつヴァレンタインになれば甘ったるい匂いに味覚と嗅覚がヤられてしまう。
冬っていうのはそういうものだ。
もうそんなこと解ってるんだ。
そんな冬をもう14回も繰り返してきたんだ。
もううんざりなんだ。
‥‥ああ、なのに。
「三上、三上。」
「ぁあ?‥‥って、あぁもうっ、くだんねぇモンに気ィ取られてねぇで、ちゃんとついて来いっつの!‥‥ったく、行くぞッ。」
「‥‥。三上、手が痛いぞ、あまり引っ張るな。」
「うるせぇっ、いいからちゃんと手ェ握っとけっ。」
「むぅ‥‥。わかった。」
15回目の冬が、初めて迎える季節のように楽しく感じるのは、どうしてか、なんて。
そんなこと、握った手の温かさから。
とっくに解っちゃいるんだけれども。
end.(05.19/2002)