もしもあなたが内向的な性分であるならば。
会話が苦手で、初対面の人間とのコミュニケィションが苦手であるならば。
愛玩動物を飼うことをお薦めする。
とくに犬、が望ましい。
犬は飼い主に忠実だ。
あなたが注いだ愛情と等価、もしくはそれ以上の愛をあなたにかえしてくれることだろう。
何かを好きになると言う感情は、あなたを良い方向へ導いてくれることだろう。
愛情は、何にも優る潤いだから。
では、そんな大事なパートナーとなった犬を連れて、外へ出てみよう。そして、周りを見回してみよう。
すると周りには、同じように大事なパートナーと散歩やジョギングを楽しんでいることに、あなたは気づくはずだ。
臆せずに話し掛けてみる事をお薦めする。高い確率で気負いの無い返事が返ってくるはずだ。
なぜならあなたと話し掛けた人物は、同じ様に犬へと注ぐ愛情を持っている同士なのだから。
愛情は、何にも優る潤いなのだから。
「‥‥統計によれば、ペットを伴っていない場合と比較すると約80%コミュニケィション成立率があがるのだそうだ。同カテゴリ、この場合は『愛犬家』というものだが、そこに存在するという連帯意識の賜物なのだろう。」
「へー、すげぇな。まさに話のタネってやつ?」
「そうだな。」
「ふーん。‥‥まぁ、犬は可愛いよなぁ。」
「ああ。」
「別に俺、内向的じゃねぇけどな。」
「そうだな。」
「不破も内向的‥‥じゃないよなぁ。」
「よく人の話を無視するな、と怒られるが。」
「あっははは!確かにな!お前人の話聞いてないこと多いよな!」
「む‥‥。」
「っていうか、むしろ聞き過ぎてんのが悪いんじゃねぇの?1に対して10返してるっつーかさぁ。もっと聞き流しとけばいいんだって。」
「いや、あれは10にして返すのが面白いのでやっているのだ。」
「ええッ?!お前アレ確信犯だったのかよ?!うわー、性質わるーっ。」
「‥‥‥‥。」
「あはは、ウッソ!俺、そういうの好きだぜー!だって楽しいもんなぁ?」
「‥‥楽しいのだ。」
「俺らって気が合いそう?もしかして?」
「合うんじゃないのか?」
「そうだよなー。統計によると約80%のコミュニケィション成立率だもんなー。同族の連帯感ってのか?」
「犬、な。」
「見事に俺ら、その80%の枠に入ってるよな。」
「ああ。‥‥まぁ、性質はかなり違うようだが。」
「そだな。アイツはさぁ、可愛いんだよなーもーやることなすこと。なんつーの?俺が居ないと駄目っていうか?泣いたり怒ったりとか全部全部、俺だけがそうさせてたいって思うんだよな。」
「俺は‥‥どうだろう。どちらかというとその行動様式自体が俺の興味の対象だな。予想どおりの行動かと思えば、突拍子もない事もしてくれる。実に興味深い。そして‥‥そうだな、俺に対する感情が解りやすいのが、いい。その辺りは可愛いと、思う。」
「‥‥淡々とノロケんのな、不破って。」
「若菜も人のことは言えないだろう。」
「同族の連帯感だな。」
「ふむ。あの理論はかなり正確なもののようだ。」
「不破って物知りだよなー。‥‥お、そろそろ止めたほうがいっかな?‥‥一馬ー!」
「結人!ッテメェ見てんなら助けろよ!!‥‥ああもぉ、放しやがれっ!藤代ーッ!!!」
「ええ?いいじゃんかーもぉちょっと遊ぼうぜ♪‥‥うりゃッ」
「はーなーせーッ!!!」
「‥‥小形犬にじゃれつく大形犬‥‥。」
「ああっ?!なんか言ったか結人?!や、だから助けてっって!って、触るな藤代ーッ!」
「はーいはい!!オラ藤代、その辺りで放してやってよ。っつかむしろ触るな、そりゃ俺のだ。」
「えー、若菜のケチー。」
「ケチで結構ですーぅ。‥‥ホラ、一馬?」
「‥‥っつーか早く助けろっての、アホ結人‥‥。」
「ムカ。クチが悪いですね、かじゅまくんはー。そういうクチにはー‥‥こうだッ。」
「‥‥ッ?!ンむーッ、‥‥ッ!!」
「おお、ベロチュー。昼間っからやるねぇ若菜。」
「‥‥ぅとッ!バババババカッ、何す‥‥!」
「何ってディープキ‥‥、」
「ぎゃあぁぁぁっ!!はっきり言うなーッ!!!」
「ハハッ、真田ワガママー♪」
「藤代。」
「あv不破vvなぁに、不破もしたい?キス?しよっか?」
「立案は却下する。‥‥あまり真田をからかうな。」
「不破って‥‥。すごい断り方だな‥‥。」
「なぁにー不破、ヤキモチ?可愛いなー俺には不破が一番だよv」
「‥‥。わかったから、もう行くぞ。そろそろ時間だ。‥‥では二人とも、失礼する。」
「あ、映画始まるな。‥‥それじゃなー若菜、真田も。また練習でな!」
「おぉ、じゃぁな。」
「‥‥なぁなぁ。結人、さっき結構不破と話してなかった?アイツなんか喋りにくそうなのに‥‥。」
「ん?ああ、いや、結構気が合った。」
「俺、不破が若菜とサシで話してるの初めて見た。何話してたんだ?」
「ああ‥‥。いろいろ、だな。有意義だった。」
「「なーんかめずらしいの。なんで?」」
「「愛犬家同士の、連帯感。」」
同じ犬を飼っている同志を見つけたならば。
迷わず話し掛けてみよう。きっと、高い確率で言葉が返ってくるだろうから。それはあなたにとって、有意義な時間を齎してくれるかもしれない。
見知らぬ人でも、大丈夫。
愛情は、何にも優るコミュニケィションの潤滑油だから。
end.(02.??.2002)
かじゅまは小形犬で、藤代は大形犬。
若菜と不破くんの会話が書いてみたかったのでした。上の方に書いてることはわりと本当らしいですよ。
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