なんかさ、こういうのってどーかなぁ、とか思うんだよね。
曲がりなりにもさぁ、チームメイト、なわけだし?
しかもおんなじポジションじゃん?
もうちょっとこぅ、打ち解けたいなとか、思うんだよね。

「さ〜なだっ。パス練しよー。」
「‥‥風祭とやっから。」

うわ、ナンデスカソレ。
態々名指しにして誘ったのに、断るか?
しかも自分から誘いに行くか?約束してたんならまだしも。
ってか、お前ら前ケンカしてたじゃんかー。
ついでに俺のほうが付き合い長いハズだろー。
いつの間に仲良くなったんだー。
チェ。
そういえば昨日もこうして誘ったよなぁ。
んで、確かアイツは天城とパス練したんだっけか‥‥。
あ、その前も誘ったような‥‥。で、俺は鳴海としたんだったな。

‥‥何で俺じゃ駄目なのかな。






一瞬のアイコンタクト。

ゴール前に走りこんだ俺の足元にボールが届く。
正確無比のスルーパス。
ヤツのパスは精度がいい。
で、なんか違う。
そりゃ、精度の良さっていったら水野とか、郭とかのほうが上かもしれない。あいつらはホント上手い。
そうじゃなくて。違うんだ。
なんていうか‥‥よく判んないけどさ。
「意地でもゴールしやがれ!」って気合?
まぁ俺らは点獲ってなんぼなポジションなワケだし。当然か。
でも、それにしたって、アイツのパスは違うんだ。
他の、誰とも違うんだ。

一瞬のアイコンタクト。

瞬間取り交わすあの視線が、俺の何かを揺さぶってる。
‥‥今も。






「お疲れッしたッ!」

監督と渋沢キャプテンの号令で、メンバーは三々五々に散っていく。
え〜っと、アイツは、と‥‥。あ、いたいた。
なんか、ぼーっとしてる。っていうかアイツ、ワリとぼーっとしてるよな。1人のとき。
まぁ、アイツが1人で居る事はほどんどないんだけど。
それにしたって。なんでこう、1人のときのアイツときたら。

「‥‥危なっかしいなぁ、」

だからついつい、

「おーい、さーなだー。」
「‥‥ッ、なんだよ、」

‥‥声掛けちゃうんだよねぇ‥‥。

「そんな睨まなくてもいいじゃんか。」
「睨んでない!」

全身の毛を逆立てたネコみたいに。
睨みつけてくる、その目。
なぁ、そんなオマエの事、俺がどう思ってるとか、全然考えてないよな?

「んじゃ、怯えてるん?」
「違うッ!」

フイッと目が逸らされて、走っていこうとするから、反射的に捕まえた。二の腕を思いっきり引っ張ってやる。
ちょっとバランス崩したけど、大丈夫だろ。‥‥ほら大丈夫。
さっすがFW。ボディバランスが良くないと話になんないもんね。

「‥‥ッ何しやが‥‥、」
「真田。」

俺を睨みつけてくる、強い光のこもった目。
試合中に交わす、あの目と、同じそれ。
俺の中を揺さぶる、その光が、なんだかとても、とても。

「今度は俺とパス練、しよーぜッv」

ニッカリ笑ってそういったら、一瞬呆けた顔して、目を逸らされた。
ついでに腕も振り払われた。あらら。

「さーなだー。忘れんなよー。」

走っていく後ろ姿に思いっきり大きな声でそう言った。
周りの奴らがその声にこっちを振り向いてたけど、別にいいや。





今は、俺じゃ駄目かもだけど。
いつか、俺じゃないと駄目に、してやるよ?





end.(09.30.2001)

藤真です藤真。この藤代は80パーセントは計算済みの天然さで。
えへ、腹黒な藤くんも大好きッス(笑)
MF二人とは違って、彼にとっては真田は仔猫ちゃんらしいです。

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