ある晴れた昼下がり。
「市場へつづーくみちー」
「続いていないぞ」
いつだって真面目なその声にケラケラと笑う。
調子の外れた歌はそのまま、笑い声もちょっと音楽的?
「違うって不破ー、ドナドナ!今度さ、歌のテストあんだよね」
「む」
クルッと半回転、そのままバックステップで歩けば、すぐ後ろを歩いてた不破と目を合わせながら歩くことができる。いい感じ。後ろが見えないのはちょっと心許無いけど、もう、慣れた道だから。
「『ドナドナ』は、桜上水ではリコーダーのテスト課題だ」
「へー、そうなんだ」
こういう話題で、そういえば別々の学校なんだなって思う。
学年が同じなんだから、やってることは同じな筈なのに、ちょっとずつ違う。なんか不思議な感じだよね、こういうの。
「荷ー馬ー車ーが、ゴートーゴートー」
「子牛を乗せていく、だったか?」
「そうそう」
視線を合わせながら歩くのも、ちょっと不思議な感じだ。
歩いていると、どうしたってずっと視線を合わせることって、できないから。だから、なんか面白いね。歩いてて、楽しい。
‥‥ああ、違うか。不破と居るときは、いつだって楽しい。
「かーわいいー子牛ー、売られていーくーよー」
「ふむ、悲しそうな瞳で振り返るくらいなら、逃げ出す気概が欲しいものだ」
「気概!アハハ、不破っぽいなソレ!面白い!」
「そうか?」
ケラケラと笑いながら、歩く。
もう慣れた道は、後ろ歩きだって歩けてしまう、そんな道。
「で、いい加減前を向け、藤代」
「えー、大丈夫だって!不破ン家までの道はばっちり記憶済みだし!」
「お前の記憶力は偏り過ぎだ」
「別にいいよ、それで」
‥‥いつまで一緒に歩けるかなんて、そんなの知らない。
でも、どこかへ続く道は、必ずあるしさ。
それが、不破へと続く道ならいいと思う。
一緒に歩く未来へ続く道ならいいと、本当に思うんだよ。
title/『一緒にドナドナ』
end.(05.31.2007)
拍手にて藤不破リクを貰って。短くなっちゃったのでリベンジでそのうち。