「いただきます。」
「はい、どうぞ。」
料理をするのは、好きなほうだ。
中学生の男には珍しい、なんてよく言われもするけれど、好きなものは仕方がない。
‥‥仕方がない、という言い方は変か?
敢えて上げるとすれば‥‥どうだろう?食材の吟味は結構楽しいとか、飾り切りは工作みたいで楽しいとか、そんなところだろうか。
飾り切りとかキャベツの千切りなんて、手先を器用にするのに絶好の練習法だと思うのだけど。GKは手が命、なんて。‥‥古いか。
まぁ、好きに理由なんて普通、ないと思う。好きなものは好き。それだけだ。
「美味しい。」
「そうか?ありがとう。」
「渋沢さん、本当料理上手ですよね。なんか秘訣とかあんの?」
「ん、秘訣?そうだなぁ‥‥」
‥‥好きに理由なんて、本当にないと思う。好きなものは好き。それだけだ。
それだけだけれど、それはやっぱり。
「好きだからかな。」
「‥‥あぁ、好きこそものの何とか、ってそういうの?」
ほんの少しの間箸を止めて、返ってきたのはそんな言葉と、ほんの少しの笑顔。
その笑顔が、あぁ、本当に。
「好きだなぁ‥‥。」
ついしみじみしてしまった口調に、小さな笑い声。甘い甘い、大好きな。
理由といえばそれが理由。
好きこそものの上手なれ。
好きな料理を、大好きな君に届けよう。
end.(02.13/2003)
これまたお食事中。渋真初のキャプ視点。餌付けという点では×不破よりもラブラブですな。
ほら、一馬は自然に甘えっこオーラ装着してっから(笑)
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