不思議なもので、雪が降っている間というのは、意外と寒くない。
雪がやんで、視界を遮っていた白いケッペンが消えた頃にいきなり寒くなる。

何故だろう?

「雪見るのに夢中だからじゃないっすか?」

だって楽しいし!楽しいから寒くないんすよ!

こどもの答えはいつだって単純明快。そういう藤代は本当に楽しそう。
こどもみたい。可愛い。微笑ましい。だから笑った。

「あ、今ガキだって思ったでしょー」

いやいや、思ってないさ。ちょっと可愛いと思っただけ。
ぷっと膨れたほっぺたにますます笑いたくなって、でもさすがに我慢。
しかし寒い。お前、本当に寒くないのか。
藤代は元気だ。少ない雪をこそげとってはミニゆきだるまを次々に作って並べている。なかなか壮観。ちょっと自分でも作りたいな、それ。
しかし、それとこれとは別だ。

「お前、寒くないのか?」
「寒くないっす!」

ゆきだるまを作り飽きたのか、今は雪玉をお手玉のようにヒョイヒョイと投げている。
寒くない?何で。雪はやんでしまったのに。
お前が夢中で見ていた雪はやんでしまった。なのに、何故?

「キャプテンと一緒に居るのに夢中だからです!」

だって楽しいし!それに、

「キャプテンのこと、大好きだからね」

だから楽しくて、だから寒くないのだと。
こどもみたいな顔をして、そんなことをいう。

キャプテン、なんて甘えた声で、覗き込んでくる顔を押しのける。
痛い酷いと喚くこどもに、それならば訊いてみようか。

不思議なもので、お前と居る間は意外と寒くないと思ってしまうんだ。

何故だろう?

そう訊いたら、きっとお前はにっこりと笑っていうんだろう。
単純明快なこどもの笑顔で。
恋するひとの、甘い声で。




「それは、キャプテンが俺のことを、





end.(02.07.2007)

真っ向から可愛い藤代と、こっそり可愛いキャプテン。

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