刺激的なことだとか、衝撃的なことだとか。
本当に驚くことって、実は意外と少ない。
勿論子供の頃からそうだったわけでもなく(まぁ今でも十分コドモで通用するけれど)、今だって競技スポーツの真っ只中にいるのだから、おそらく世間一般の中学生よりは刺激的な毎日を送っているはずだ。
けれどしかし、それらは既に日常で。
熾烈なポジション争い、他者の目に常に晒される、結果を求められる、ライバルと友人の位置関係、学校生活、サッカー、選定、選抜、批評、評価、評価、評価。
それは日常。それが日常、とても柔らかな。予定調和とまでは言わないけれど。
目指すべきものがあって、その場所へ到達するための道筋も方法も解っていて、あとは自分がスタートを切ればいい状態。それは、驚くことじゃない。
それが嫌なわけじゃない。平坦な道じゃないし、怖くないわけでもない。
けれど、それはそうして生きていくともう決めているから、日常だから。
そんな日常が、嫌いなわけじゃない、けれど。
「須釜」
心を鷲掴むような何かをもしかしたら求めていたのかもしれないなんて。
求めていたものが、これなのかもしれない、なんて。
ああ、名前を呼ばれただけで、こんなにも。
「‥‥?何を笑っている」
「ああ、いや‥‥ちょっと、驚きすぎて、感動してたんです」
「む、お前は驚きという情動が感動に繋がり、感動すると笑いたくなるのか?ふむ、興味深い‥‥」
「いやー、興味深いって思える不破くんのほうが僕は興味深いですけどねー」
「そうか?」
「興味深いっていうか、可愛いかなー」
「‥‥お前は興味深さと可愛さが連動するのか?」
ますますもって興味深い、という呟く不破の少し低い位置にある顔を覗き込むようにして、めいっぱいの笑顔を返す。
すると此方を見ていた目が、本当に驚いた風に瞬きをしてくれるから、‥‥なんだかもう、本当に。
「‥‥ああ、やっぱり驚くなー不破くん本当面白いですよねv」
「須釜、指摘するがお前先ほどから言っていることが全く意味不明だぞ」
「解らなかったら君、考察するでしょ?」
「無論だ」
きっぱりと言い切ったその姿は、やっぱり驚きと刺激に満ちていて、声を上げて笑った。
柔らかな日常はきっとこの衝撃的で刺激的なひとと出会う布石だったのだと。
今は思いながら、驚きに満ちた毎日を過ごしています。
end.(08.05/2007)
まあ、普通に不破は傍に居たら心臓に悪いくらい刺激的だと思いますヨ!
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