「バレンタインだな、上原。」
「ああ桜庭、バレンタインだ。」
「なんつーの?こう、空気がうかれてるよな、この日って。」
「まぁな〜、年に一回のイベントだしなぁ。楽しんだモン勝ちっていうか。」
「毎月とかだったらウゼェけどな(笑)年一回くらいならまぁこの浮かれきった空気も悪くないと言うか。」
「不破くん不破くん。ウィーン風チョコレートケーキ作ってきたんだけど食べないかな?」
「ぬ?ウィーン風‥‥。渋沢、風というからにはなにかウィーンを想起させるものがそれには含まれているのか?それともなにか特殊な土地特有の料理なのか?」
「う〜んそういうわけじゃなくてね、ちょっと風味のよさを土地の名前に掛けただけなんだけど。ああでもあちらではチョコ菓子は最もポピュラーなお茶請けなんだ。あと、紅茶もね。で、その二つを一緒に盛り込んだお菓子ってコトで、こんな名前にしたんだよ。チョコ風味のビスキュイにアールグレイのシロップをうって風味と香りをよくしてるんだ。紅茶とチョコは相性がいいからね。」
「同時に食べる事によりポリフェノールやタンニンの吸収率も変わってくるな‥‥なるほど。良く考えられた食品目だ。オリジナルか?」
「まぁね。」
「ふむ‥‥。さすがだ渋沢、俺の認めた
GK
だけはある。しかし俺も負けないからな。」
「ははは、君に認められた
男
なのは嬉しいな。でも俺は簡単には負けないよ?」
「‥‥‥‥勝負しろ渋沢。対決だ。」
「いいよ。じゃぁ今度一緒にケーキ作ろうか、何時にする?場所は不破くんのおうちでいいかな。」
「では来週末だ。‥‥あ、あの日は両親が居るか。別の日に‥‥、」
「全ッ然!構わないよ御両親がいらしてもむしろ好都合。というかまぁ俺も御挨拶するべきかなと思ってたんだよそろそろ。」
「挨拶‥‥?別に構わんが。何がいいたいことでもあるのか?」
「ちょっとね。やっぱり
男としてのけじめ
は必要かなーとか。ちゃんとご挨拶して好印象を与えときたいし。」
「‥‥‥‥?」
「それよりケーキ、食べないかな?」
「あ、そうだったな。食べる。」
「じゃぁ切り分けるからちょっと待ってね?」
「‥‥うかれてんな、渋沢。」
「‥‥‥‥ああ、うかれてるぜ。」
「あれはどこらへんをツッコんでいい会話なんだ?」
「やめとけよ、時間の無駄だ。」
「‥‥だな。しかしこの会話の噛み合ってなさはいっそ清々しいな。」
「俺はケーキ1ホール入る渋沢のクーラーバッグも不思議だぜ。」
「この前は手作りアイスも持って来てたしな‥‥。」
「15歳にして自作レシピのケーキを作れるのもどうかと思うがな。」
「ご挨拶というと、やっぱアレか、
『お嬢さんを僕に下さい!』
か?」
「いや不破お嬢さんじゃないし。‥‥えっと、じゃぁ
『息子さんを俺に下さい!』
‥‥?」
「‥‥‥‥‥‥。さすがキャプテンだぜ、渋沢。」
「そうだな、アイツこそがキングオブキャプだな。」
「文句なし。」
「あ、そうだ不破くん。俺、結構クッキー焼くのも上手いんだよ。」
「クッキー‥‥。」
「お菓子作りの基本だよね。技量の優劣が凄く出るというかー。」
「技量か‥‥。よし。渋沢、クッキー対決を申し込む。」
「いいよ。じゃぁ
1ヶ月後の3月14日
にやろうかv」
「1ヵ月後か。キリも良いな承知した。」
「楽しみだね。」
「うむ。」
「‥‥‥‥‥‥。うかれきってんな、渋沢。」
「浮かれ過ぎてていっそ
黒いな
。」
「おお。浮かれ過ぎな
黒い空気がとぐろ巻いてんな
、ヤツの背後に。」
「浮かれ過ぎは身体に悪いって教えるか?」
「むしろ俺らの身体に悪いっての‥‥。」
「精神の猛毒だな‥‥。」
「ああ‥‥。」
本日2月14日。
スィートスィートバレンタイン。(嘘ばっか・笑)
extra.1 a piace of Valentine(2) 〜ヴァレンタインの肖像2
end.(02.14/2002)
ホワイトデーにはクッキー交換です。(※対戦用に作ったもの)
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