「疲れた‥‥。暑い‥‥。」
「炎天下の練習はさすがになー‥‥。あちーなぁ‥‥。」
「ま、夏だから当たり前っちゃ当たり前なんだけどな。‥‥あー、それにしたって」
「暑過ぎだっ。あー、早く秋になんねーかなー。」
「冬でもいい。」
「だよな‥‥あ、コンビニ発見。上原ー、なんか食って帰ろうぜ。アイスとか。」
「おー。」
「んー‥‥っ、冷っ!やっぱ夏はこれだよな!夏って感じ!」
「桜庭、なんか微妙に仕事上がりにビール飲んでるオヤジ入ってるし。」
「るっせぇ!いいんだよコレが夏の味覚なんだっつの!!」
「安い夏の味覚だな、オイ。」
「じゃぁなんだよ、上原は夏の味覚っつったら、何かあんの?」
「え、そりゃ夏っていったら‥‥もっとこう、健康的に、スイカ、とか?」
「健康的って、オマエこそオヤジだっての(笑)あー、まぁ夏の味覚としては普通かね。旬のものっていうか。」
「やっぱなー、こう、季節のものってのは美味しい時季に味あわないと。」
「だなぁ。夏にはスイカでー、秋には?」
「リンゴとか?」
「いいねぇ。あ、俺、柿好きかも。」
「ああ、秋っぽいよなー。」
「冬は?」
「みかん!!オプションこたつで!!」
「あー、なんか日本の冬って感じ。渋沢とかナチュラルに似合ってそうな感じ?」
「あっはっは!!ありえる、ありえる!!むしろセットって感じ?!」
「じゃぁ冬はみかんと渋沢でってことで(笑)春は?」
「春かぁ‥‥春?」
「春の食材って、どんなんあるっけ‥‥。」
「何かないかなぁ、えーと‥‥。」
「上原も桜庭も、何唸ってるの?」
「あ、郭じゃん。お疲れー。」
「うーっす。あれ、一人?真田と若菜は?」
「別にいつもセットでいるわけじゃないけどね。‥‥あいつらコーチに呼び出されてたから、先に出たんだ。コンビニで涼もうかなって思って。」
「あー、暑いもんなぁ。」
「まぁね。‥‥で?何だったの、さっきから見てたら唸ってたみたいだけど。」
「ああ、それな。あ、そだ、郭はどうよ?」
「え?」
「いや、さっきからな、季節ごとの旬のものって言ったら何があるって話してたんだけど。」
「そそ、夏にはスイカでー、秋にはリンゴと柿でー、冬にはみかん(with 渋沢)て出てきたんだけど、春が何かなって、話を‥‥
「一馬でしょ。」
「「‥‥は?」」
「だから、一馬でしょ。春っていったら。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」
「‥‥‥‥いや、その、郭。そうじゃなくて、春に一番美味しいものって話で‥‥」
「そんなの解ってるよ、だから一馬だって言ってる。」
「「‥‥はぁ‥‥。」」
「ホラ、春って何ていうか、ちょっと不安定な季節じゃない?現実、進学とかクラス替えとかあとテストなんかも集中してるし。一馬は繊細だからそのあたりの環境の変化に弱いんだよね、あ、っていっても別に弱ってヘタレちゃうわけじゃないんだよ(ヘタレてんのはいつものことだし)何ていうか弱ってる心を押し隠そうとして頑張って踏ん張ってるところが可愛いっていうかけなげっていうか食べちゃいたいっていうか。いや一馬が可愛いのは年中のことだけどね、でもやっぱりたまに弱音を俺だけにははいたりするところなんか特に、春はね‥‥。ああ、いいよねぇ春一馬。年中美味しいけどやっぱり春は格別でしょ。YES!」
「いや、そんな春キャベツみたいな扱いはどうかと‥‥。」
「‥‥もう何もいうな、上原。」
「っていうか、言ったところで聞いちゃいねぇし‥‥。」
「うぅぅ‥‥。」
「おーっす!!何やってんのー、お前ら。」
「「‥‥若菜。」」
「結人お疲れ。あれ、一馬は?」
「一馬はコーチに続いて監督呼び出し。‥‥あれ?どしたの、上原も桜庭もテンション低くねぇか?」
「いや‥‥。」
「何でもねぇよ‥‥。」
「‥‥?英士、オッマエまた何かやったんだろー。ったく。」
「『また』だの『やったのか』だのって何、失礼だね。別に、ただ春の旬のものっていったらやっぱり一馬だよねって話をしただけだよ。」
「はぁ?!オマエ、またバカらしいことを‥‥。」
「!?(上原ッ!聞いたか?!)」
「!!(よかったッ、若菜はマトモだったんだな!)」
「バカって何さ、本当のことでしょ?春一馬が一番じゃない。」
「それがバカだっつってんだよ、大体なぁ‥‥」
「や、若菜いいって(郭が特別なんだって解ればもういい‥‥!)」
「そうだよ、ケンカすんなって(聞かなかったことにしてスルーするから‥‥!)」
「一馬の旬は夏だっての!!」
「「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」」
「ったく英士も何を言うかと思えば、春だぁ?ンな筈ねーだろ、一馬が一番美味しいのは夏!ほらもともと一馬ほっそいじゃん、腕とか腰とか食っても全然太んねぇし?それをますます強調してくれるあの薄着ときたら!最高じゃねーの!!(byテニスの某)あと汗かいてちょっとぐったりしてるところとかー、あ、あと俺は暑いからって半袖のシャツの腕んところで汗拭いてるのが好きだな。ホラ日焼け後がついててさぁ肩んとこだけ白いの、ちょっと見えるのが?ガバッと脱がれるよりよっぽどオイシイんだよなーあのチラリズムがー。」
「「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」」
「はッ、何言ってるのさ結人。お前は春一馬の本領をまだ解っちゃいないね?あの!他の季節にはないにじみ出るような不安定な色気ときたら!もはや犯罪レベルでしょ?!」
「英士こそ解っちゃいないっての、だいたい一馬は夏生まれなんだから夏が旬っつーのが理に適ってるだろーが。俺は断然夏だね!」
「春でしょ。」
「夏!」
「春!!」
「‥‥お前ら何言い合ってんの?」
「「一馬!!」」
「「‥‥‥‥‥‥真田。」」
「西園寺監督ってどうも裏があるっぽいしゃべりで苦手‥‥。っていうか、何?上原たちとも待ち合わせてたワケ?」
「え、あ、いや俺らは‥‥。」
「たまたまっていうか‥‥巻き込まれたっていうか‥‥。」
「?ま、いいけど。‥‥あ、二人ともいいモン持ってるなー。俺もアイス欲しい。」
「ああ、じゃぁ一馬買いに行こうか?コンビニあるから。」
「やった!やっぱ夏っていったらアイスだよなー♪」
「そだな、夏っていったらアイスもいいよな♪」
「でもやっぱり春もいいよ?結人。」
「っつーか結局は年中なんだけどな!」
「まぁ、そういうことだね。」
「?英士も結人も、そんな年中好きなのか?アイスが。」
「んー?‥‥さ、行くぞ一馬!!」
「一番遅かったヤツが奢りね。」
「って、うわ卑怯!待てよ二人ともっ!!‥‥じゃぁな上原、桜庭!また練習でな!!」
「「あ、ああ、またな‥‥。」」
「疲れたな、上原‥‥。」
「ああ、疲れた‥‥。」
「暑いな‥‥。」
「早く秋になんねーかなぁ‥‥。」
「冬でもいい。」
「「春と夏以外ならいつでもいい‥‥っ。」」
夏は始まったばかりです。