「お前のことを深く愛せるだろうか。」

彼の唐突な言葉に、思わず本を取り落としかけた。

凄く天気が良くて。
日差しはポカポカ。
風も気持ちよくて。
で、膝にはキミの頭をのせてて。

「お前のことを、深く愛せるだろうか。」

覗き込むように見下ろせば、
寝転んだ彼は真剣な眼差し、真剣な声。
きっと真剣に考えているんだろうな。

凄く天気が良くて。
日差しはポカポカ。
風も気持ちよくて。
で、膝には真剣なキミがいて。

「渋沢、」

愛するだとか、好きだとか。
キミはまだよく解ってないんだと思う。
そして俺も、本当のところよく解っちゃいないんだと思う。

でも、

「いい天気だね。不破くん、散歩行こっか。」

差し出した手を握り返すその手の温かさがあるから。
それだけでいいかなと思ってしまうんだけれど、駄目かな?

深く愛せるかどうか解るまで一緒にいようと思ってるんだけど、駄目かな?

そんなこと思いながら手を繋いで散歩した、上天気の午後でした。




title/『つめたい頬』
end.(2002.)

タイトルと冒頭はスピッツから。

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