唐突な告白に、マシューが息を呑んだのがわかった。
寄り添うように抱き締めた、柔らかな身体が震えている。怖かったのだろうか。嫌だったのだろうか。‥‥呆れられたの、だろうか。
せっかく、『恋人』になれたのに。
甘い、甘い視線を、身体を、心を独占できるはずだったのに。‥‥ああまったく、うまくいかない。
アーサーはいっそ泣きたい気分で、ため息のように呟く。

「‥‥こういうの慣れてねぇんだ。デートとか‥‥本当は、もっと楽しませてやんないとって思うのに、いつだって失敗する」

本当に、その通りだ。自分はいつだって失敗してしまう。うまくない。
これが例えば隣国の腐れ縁なら、抜かりなく完璧なデートプランを立ててスマートに、彼女をエスコートしただろう。
或いはかつての弟ならば、歳の近さと一緒にいた時間の長さがそのまま愛しさに繋がって、幸せで楽しい時間を過ごせたかもしれない。
自分以外の誰かなら。もっと彼女を、マシューを幸せにしてやれたかもと考えなかった日は、ない。

「でも、俺お前のこと好きなんだ」

最初は恋愛対象じゃなかった。告白は彼女からだった。けれど、そう。
あの甘い声に、あのひたむきに向けられる心に。恋をしたのは、‥‥恋に落ちたのは。自分のほうなのだ。もう、誰にも手渡すことなんて出来ない。

けれど、もう駄目かな。駄目かもなぁ。‥‥ああ、でも駄目だ。やっぱり、それでも俺はマシューのことを、




「アーサーさん私あなたのことが、」









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