「じゅてーむ。むー。」
「‥‥‥‥。」
「しるぶぷれー。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥。」
「むー。むー、しるぷぶッ‥‥む、む、」
「噛んだだろお前。噛んだよな」

無視から一転、如何にも楽しそうにニヨニヨと笑うイギリスに、ふにふにとした生物が心の底からイヤそうな目を向け、白い身体を揺らす。
無論そんな小動物(?)の視線如きに動じるイギリスではなく、それまで彼(?)を無視してペンを走らせ続けていた書類を脇に押しやると、ペンの尻でふにふにとしたソレをつつきまわす。

「むっ、じゅて、むっ、むー!」
「おお、一丁前に怒るのかよ小動物の分際で」

まぁるい身体を精一杯伸び縮みさせて、どうやら怒っているらしき其れを、今度は指で摘み上げた。ちょっと伸びた。

「じゅてーむ!むー!!」
「あーはいはい、緊張感ねー鳴き声ちっとも怖かねぇっつの」
「しーるーぶーぷーれーっ!」

尚もむいむいと暴れ続ける其れをイギリスは摘まんだのとは反対の手のひらに落とす。もふん、と妙にもふもふしい音は和やかを通り越して名状し難い気分もまた、イギリスの手のひらに落とし込む。

「んー‥‥」
「しるぶー‥‥ぷ?む?」

ふかふかとした白い肌だ。まぁるい身体は手のひらサイズで、少し丸めたそこに落ち着くふにふにした感触は東洋で食されているモチという食べ物に似ているらしい。
見上げてくる瞳は、明度の高い空色。‥‥なんとなし、誰かを思い出してその点だけはムカつくのだけれど。

「じゅてーむ‥‥?」
「ああ、うん。‥‥お前、さぁ」

触れさせた唇は、妙にふにむにとした弾力だった。‥‥まぁモチだしな‥‥。

唐突なキスに驚いたのか、白いモチはカチンと固まってしまった。
‥‥なんだ、これ、硬くなったら茹でりゃいいのか?
いや、まぁ茹でる前に、撫でてみるけれど。

「じゅー‥‥てーむ‥‥むー」
「はいはい。ジュテームで、シルブプレ、なんだろ?」
「むー」

片手のひらにのせながら、もう一方の手で撫でてやれば、ふにふにとした其れは、すっかりと落ち着いてしまったらしい。
先ほどまで机上で伸び縮みしていたときとはうって変わって大人しく、うん、まぁ、可愛らしい、気がしなくもない。

「ジュテーム、シルブプレ、ねぇ?」
「む?」

見上げてくる、つぶらな瞳。‥‥見知った相手の其れによく似て、けれど可愛さではコチラのほうが上だと思う。

「少なくとも、お前は素直に言ってくるし?」

手のひらでこちらを窺う瞳にイギリスは優しく微笑み返し、もう一度だけキスをする。ふにふに優しく、気持ちが良い。

「む、むむー。」
「‥‥ジュテーム、シルブプレ?」

愛してる、愛してください?愛をください?どれでもいいけれど。









「‥‥あの髭も、これくらい素直ならいいのに」









the end.

イギ×もちヒゲとみせかけた仏英仏でした。