もちヒゲvsもちメリ では、それぞれ別のおうちに引き取られて飼われている彼らですが、まぁ常考コイツらがいるなら、当然もちカナやもちまゆが居てもいいと思うわけです。ていうか、一国一もち制度でいいと思うわけです。
この二匹にしたところで母国にいて、兄ちゃんやメリカが
「自分似の小動物なんて萌えねぇ‥‥」
と、それぞれが大事にしてくれそうなひとのところに押し付けてきたわけであって。
因みに、それぞれの恋人にあげなかったのは、自分がいない間の私生活見放題なもちに嫉妬したからだとか可愛いと思います。

で、仮に一国いちもち制度だとすると、カナのおうちにもちカナが、イギのお屋敷にもちまゆが居たところで当然という話になるわけです。

自分似のもちっぽいものは気に入らなくても、恋人に似たもちっぽい生物なら飼いたい!キャベツやったりお風呂入ったり一緒に寝たりにゃんにゃんしたりとか、いいんじゃね?!
そう、美食国家やヒーローがちょこっとくらい考えても不思議ではないと思うわけですが、残念ながら彼らがその可能性に気がついてすっ飛んで迎えに行った頃には、既にそれぞれの恋人宅にはもちっぽい生物は居ませんでした。

「あ?うちにはコイツ(=もちメリ)以外いねぇよ」
「え?このコ(=もちヒゲ)しか見てないけど?」
「「えええ‥‥。」」

それぞれがもちに夢中の恋人は、すげなく言いきりました。

はて、彼らは一体どこに?

‥‥以上を前提にして、どうぞ。↓
















麗らかな秋の日差し暖かい古い佇まいの縁側に、二つのぽにゅぽにゅした物体が転がっている。
まず第一に思うことはといえば、まるい。そして、白い。
全体的にすべすべとしているようだが陶器のような其れではなく、艶を敢えて消した最上級の練り絹、といった具合だろうか。柔らかでふわりとしていそうで、かといって綿菓子のように正体のない軽さはなく、内側にはなにか温かいものがみっしりと詰まっているような。まぁ実際詰まっているのだろうが。

「‥‥‥‥和菓子が食べたくなりますね」

大福。中身はシンプルな漉し餡、しっとりとした餅の白さが良い。
練りきりもよい。丁寧に練ったねりきり餡、せっかくだから彼らの瞳の色にあわせてみるのはどうだろうか。緑は抹茶、青は無理なので、紫芋で淡紫にして。‥‥ああ、なかなかに美味しそうだ。
水蜜饅、寒天、日差しも良いので氷菓子‥‥。
そんな食べ物のことを考えていたのを敏感に察したのか(意外なほどに彼らは大食漢だ)、縁側に二人(二匹?)寄り添い転寝をしていたらしき可愛らしい小動物が、むいむいむいと並びあって、同じく縁側に腰掛け茶を啜る家の主へと、近寄ってきた。

「みっみっ」
「まゆっ、まゆー」

動物の鳴き声にしては独創的過ぎる(特に片方)、しかし澄んだ可愛らしい呼び声に、日本は湯飲みを彼らが見上げてくる場所とは逆のほうへとそっと置き、そのやわらかな身体を着物の膝上へと抱き上げた。
日差しにすっかりと温められた身体は柔らかくあたたかで、自然と心を柔らかくしてくれるようだ。




ある朝起きたら、ポチくんの背中に乗って上機嫌にむいむいむいむい揺れていたその小動物に、日本は暫し固まった後(そして困惑しているポチくんの頭を撫でてやった後)、ため息をついた。
何故、彼らが家にいるのだろう。自宅(自国?)がイヤならば、せめて海峡越しの隣国や、陸続きで国境が曖昧な隣国の家だとかに行くべきじゃないのだろうか。
ほとんど反射のように考えて、‥‥考えた後、ふるふると首を振り、「キャベツ、召し上がりますか?」と問いかけ。
それぞれがそれぞれらしい、独創的な鳴き方で応えて以来、こうして爺と謎生物たちの暮らしがスタートしたのだ。




「‥‥そりゃまぁ、このような美味しそうなナリでアメリカさんちなんぞに行けば即ハンバーガーの具にされそうですし。‥‥あと、なんだか揉みしだかれそうですしね、若者の憧れ的に」
「み?」

‥‥まぁ、「理想はFくらいかな‥‥こう、むっちりみっしりしてて、手にすっぽりとさぁ‥‥寄せたり揉んだりさぁ」と両手をわきわきさせつつ語っていた外見19歳の憧れもわからんでもないのだが。
因みに「ま、まぁカナダの平たい胸もいいんだけどね!まだ触ったことないけど!触りかけて一度渾身のアッパーカットくらったけどさ、まぁ照れてるだけだよね!」とちょっと涙目で語られたこともあったのだが、だからといって自分にどうしろというのだろうとあの時は心底困ったものだ。
そんな埒もないことを考えつつ、くるんぴょこんと飛び出た何かを生やしてちょっと困り眉なほうを撫でてやる。言われている言葉は解した様子はなく、ただ優しくなでられるのが心地よかったのか、み、み、と鳴きながら日本の手のひらに擦り寄ってくる。おっとりとした『彼』らしい仕草は、それは可愛らしいものだった。

「‥‥‥‥‥‥‥‥。貴方は別の意味で食われそうですものね、あの変態‥‥いえいえ、節操無し、もとい、あー、‥‥愛の広いあの方なら、やりかねません」
「‥‥‥‥‥‥‥‥。まゆー‥‥」

どうやらこちらは日本の言わんとすることを正確に解したらしい。
ふみょふみょほんわかとした姿から、心底げんなり、あいつならやりかねないちっちゃい口にエッフェル塔を突っ込m(自主規制)といわんばかりの雰囲気を全身で現し、ぺしょりと膝上にうつ伏せた。‥‥いや、丸いのでよくわからないが、多分、うつぶせた。
‥‥わからないでもない、というか、解り易過ぎるくらいにその心情はわかる。ハァハァいいながら例の正装をとっぱらって恋人似の小動物をベッドルームに連れ込む変t、いや節操無s、いやいや愛に生きる友人の姿が目に見えるようだ。
それはうつぶせたあと、ころりと転がって上を向き、目が合ったところでちいさく、まゆ、とひとつ鳴いて、ぱちぱちと瞬きしてみせた。
その姿は、『彼』がたまに見せる素の表情に良く似ている。
やはり、微笑ましく、愛らしい。

膝上で繰り広げられる、対照的な小さな生物達の態度に、日本は緩やかに微笑みながら、彼らを撫でる。ふくふくとした身体は柔らかく、温かい。
日本はまるまった二匹を両手に抱き上げ、うっそりと立ち上がった。

「ま、こんな爺さんのあばら家でよろしければどれだけでもいらっしゃいな。‥‥おやつにしましょうか?」
「みっみっ!み!」
「まゆっ、まゆっ!」
「はい、はい。‥‥ううん、貴方がた、キャベツ以外はどうなんでしょうね?カボチャの蒸かしたものあたり、食べられそうなんですが‥‥。今日の夕飯に試してみましょうかね‥‥」

外套を羽織る代わりにふにふにの2匹(?)を包みいれてから、日本はとりあえず自分のおやつ調達に馴染みの和菓子屋へと赴くべく、草履を履いた。

‥‥まぁそのうちこの二匹の所在に気がついたヒーローだったり愛と美食の国だったりが、すっ飛んで引き取りに来るかもしれないが、その際には「食べない(いろんな意味で。)」という誓約書を書かせた上で、引き取らせようと思う。

「みー?」
「まゆ‥‥」

麗らかな秋の小道を歩きつつ、外套の中から見上げてくる二対の瞳に微笑みかけながら日本はぽそぽそと独りごちたものだ。









「異種族間恋愛は二次元では萌えるんですが、さすがに三次元、それも友人がとなるとね‥‥さすがに‥‥」









the end.

ブログログ。どうやって本田さんちに来たのはか、もちマジックということで。