アメリカはおっぱいが好きである。




‥‥とは、さすがに冒頭からあまりにも変態くさいのでもう少し詳細に示したいところだが、しかし要約するとこうなるのだから仕方が無い。
ふっくら、ふにふに、もちもち、やわらか。大きいほうが好みだ。大きければ大きいほど好い、というわけでもないのだが、でもやはり大きいほうがいい。だって、触り心地がよさそうじゃないか。もっとはっきりいえば揉み甲斐があるじゃないか。語感としてはむっちりより、ふっくら。もっちりしていて揉みしだくにせよ抱きついて顔をうずめるにせよ、そちらのほうが気持ちがいい。で、先っぽはツンと上向いていて、少しちっちゃめで輪郭のくっきりとした、甘そうなピンク色だったら尚更好い。

「ねぇアメリカ。今日パジャマ忘れちゃったんだ、キミのシャツ借りてもいいかな?」

リビングとアメリカの脳内を満たしていたフットボール中継の音声にフェードインしてきたトタパタトタと自分とは比べ物にならない軽い足音は、近づいてくるなり開け放したままのドア越しに、華奢な身体となってひょこりと現れた。アメリカはその姿に、ローソファに長い脚を組んで座っていた体勢から欠片も動かず視線だけを遣る。
普段は薄いグラス向こうに収まっているウォータリーカラーの瞳と、パチリと視線が合った。
アメリカは今いるこの屋敷内では、普段から外靴を脱ぎいわゆる室内履きを使うようにしている。家主であるアメリカ自身はやや踵の浅くて軽い、簡単に履けるスニーカーを使っているのだが、客人にはスリッパを出すことにしていた。
そして、彼女の為には他の客とは別に、キュートなパウダーピンクのふかふかとした履き物を用意しているのだが。

視線の先にいる彼女はといえば、素足だった。
素足と言うか、何も履いていなかった。スリッパだけではなく、そのずっと上まで。

締まった足首から形の好いヒザ、そしてかなり際どいラインまで晒されたモモはまばゆいほどの白さで、擦りあうように合わされたむっちりとした太ももの内側だけが淡いピンク色の影を落として、バスタオルの向こうに収まっている。
身体に沿うように巻きつけられたオフホワイトのバスタオル、細い腰へと続く滑らかな曲線を一先ずパスし、上へと視線をスイッチ。
普段はふんわりと彼女の華奢な肩を飾るように流れている髪はたっぷりと水分を含んでややブラウンを濃くし、耳の横で簡単に束ねられている。ぽたぽたと毛先から落ちる透明な雫が、真っ白な肩や首筋から鎖骨ををまるでそこにレールが敷かれているように伝い、するんと谷間へと落ち込んでいっていた。
片手で軽く‥‥そう、軽く。多分、いや絶対ちょっとひっぱったら簡単に落ちる強さで抑えているのは、バスタオルにくるまれた胸元。
抑えているせいでちょっぴり上へと押し上げられた、やわらかそうなふくらみは、湯上がり特有のつやつやとしたピンク色だ。
タオル越し、微妙に形がわかる胸の先端ギリギリ上をバスタオルの縁が横切っている。まるで立入禁止ライン。

まあ実際、立入禁止だ。

あんなに、無防備なのに。
あんな、端を少し引っ張れば絶対に脱がせることが出来るバスタオル一枚で魅惑のパラダイスを守ろうなんてどうかしている。無理無理。絶対無理。

でも、立入禁止。そして自分はそれを、律儀に守るわけで。

一目でわかる湯上り姿の彼女を、アメリカは一呼吸、いや三呼吸ぶん無言で眺めた。まあそれくらいは許されるだろ、と誰にともなく心の内側で釈明した後、ため息交じりの声で言ったものだ。

「いいよ、俺の部屋から勝手に持って行ってくれ。‥‥ところでカナダ、きみ最近おっぱい大きくなったよね。俺のシャツのバスト伸ばさないでくれよ?」

その発言に、もう、伸びないよ!と根拠不確定な言葉とちょっとむくれた可愛いだけの表情を残して、身を翻した。トタパタトタ、軽やかな足音が遠のいていく。‥‥ちょっとバスタオルが翻ったせいでおしりが見えた。気づいていないのだろうが‥‥いや、気づいていたところで彼女はなんとも思わないのだろう。ぽてっとしたおしりくらい。
だって相手が、アメリカだから。

「‥‥‥‥あああああ、もうッ」

アメリカは組んでいた脚を乱暴に解いて前のめりになるように顔を伏せ、頭を抱えて目を閉じる。
フットボール中継の音声がリビングを満たしている。が、脳内には欠片もその展開が入ってこない。替わってアメリカの脳内を満たすのは、つやつやとした内もものピンク色だとか、お湯に濡れて可愛く光る唇だとか、バスタオルに包まれたやわらかそうなおっぱいだとかおっぱいだとかおっぱいだとか、だ。
‥‥今日の寝る前のAV、巨乳系でお風呂モノにしよう、そうしよう。

アメリカはおっぱいが好きである。
‥‥が、これではあまりに変態くさいのでもうすこしバスタオルにくるんだ言い方をするならば。

アメリカはカナダのことが、好きである。

(‥‥カナダの先っぽの色、どんな色だろ‥‥)

まあ、おっぱいが好きなのには疑いはないのだが。









言ってみれば、きょうだい。
同じ大陸にほぼ同時期に生まれ、同じ宗主国‥‥養い親のもと、一緒に暮らしていたことがある。
アメリカが兄であり父親でもあったひとの腕を乱暴に振り払う形で飛び出して以来、長く会えない時期も会ったのだけれども。日々の小さなケンカもすべてひっくるめ、今では仲良くやっている。政府レベルでも民間レベルでも関係は良好、好感度も(アメリカ側は、特に)抜群。
そう、仲良しなきょうだい、だと言えるだろう。

けれど、血の繋がりがあるわけじゃない。
長く一緒に暮らしたわけでもない。
そもそも、『ひと』じゃない。
俺も、彼女も。

だから。

「恋人になるのに、障害はないんだよな」

ポソリと呟かれた言葉は、クラクションやエンジンの排気音、そして今まさに自分たちが歩いているストリートに溢れる人波が奏でる、音楽にも似た喧騒に紛れて消える。
ニューヨークの天気は快晴、春先にしては汗ばむ陽気。買い物がしたいと言う彼女に付き合い繰り出した休日のストリートは、小さな呟きなどたちまちかき消されてしまう賑わいだ。
それでも、すぐ傍に並び合って歩く彼女の耳には小さな独り言も届いたらしい。

「へ?アメリカ、何か言った?」
「なんでもない。」

歩きながら、くるんと顔だけアメリカに向ける。
その拍子、メイプルシュガーカラーのふわふわとした髪がカナダの頬とアメリカの腕を掠めた。身長差ぶんだけ見上げてくる彼女の、淡いオレンジ系のチークをのせた頬は、シュガージェリーのようでなんだか舐めたら甘そうだ。

「アメリカ?‥‥どうかしたの?」
「だぁからなんでもないんだぞ。‥‥そら、ちゃんと前をみて歩かないと君またコケちゃうぞ!どんくさいからね、カナダは」
「なッ、」

ヒョイと肩をすくませて言ったアメリカに、反射的に反論しようとしたのだろう彼女はしかし、そこで言葉を詰まらせてきゅっと眉根を寄せただけだ。
その顔に、歩きながら肩を緩く抱くように腕を回し、触れ合う腕とは逆側の頬を指先でつつく。ふにっと柔らかな感触に、アメリカはいたずらっぽい笑みを浮かべた。

「この前もさぁ、まさかあんななーんにもない廊下のど真ん中でコケちゃうなんて!あの後ウチの上司、あそこにキミが何か躓くような危険物があったんじゃないかってセキュリティに真剣に相談してたから言っておいたよ、『あれは彼女が普段どおりに歩いた結果です』ってね!」
「あ、あれは‥‥っもう、ひどいよ!」

怒りかはたまた羞恥によるものか、ほんのり赤みをましたカナダの頬をもう一度だけつついて、アメリカは肩から腕を外した。触れていた愛しい温もりが腕からすり抜けて、アメリカは一瞬だけ目を伏せた。それから、意識して快活に笑う。

実際、あの時は焦ったものだ。
あれは非公式ながら上級レベルの会談で、たしかに会談が行われた議場から晩餐会が執り行われるダイニングに向かう途中の廊下ではあったけれど、周囲には互いの上司の他にも事務官や補佐官、その他細々したことを取り仕切るスタッフも幾人かいたのだ。まして、床はつまづくようなものなど何もないように見える、ふかふかの絨毯。
和やかに話しながら歩いていた上司達は驚くし、もてなす側であるアメリカの事務官は一瞬で真っ青になるしで(なんと言っても、彼女は『隣国』そのものだ!)大変だった。

まぁ、一番大変だったのは見事にすっ転んだカナダと、彼女の元にすっ飛んでいったアメリカだったと思うが。

まだ外見的にはティーンのカナダに、彼女の上司はかたっくるしいスーツではなくてふわふわでひらっとした、ちょっと可愛い洋服を着せていた(聞くところによればあれは連邦盟主‥‥というか、兄もとい母親であるイギリス手製の服らしい。器用なことだ)。膝丈より少し下の、ひらひらとしたスカートで。
転んだ結果あらわになった、ふっくりしたふくらはぎとふとももに、それはもう瞬間移動レベルで駆け寄ったアメリカは自らが着ていたフライトジャケットをかぶせるようにしてくるみ抱き上げ、タイミングよく廊下脇に解放されていたスタッフルームに駆け込んだのだった。

「‥‥別に、あの時だって抱き上げてもらうような怪我したわけじゃなかったのに」
「でも、足首ちょっと捻っただろ。ストッキングだってやぶれちゃったし、それに君のふとも‥‥っ、」
「は?」

うっかりと、本人に言うには憚られる類の感想をアメリカはすんでのところでストップし、無理やりに飲み下す。‥‥まさか、キミのむっちりしたふとももを見ていいのは俺だけだ!と言うわけにもいかない。

(言えるように、なりたいんだけど。)

彼女は「きょうだい」であって。
いや、きょうだいでも「ふとももを晒すな!」くらいは言ってもいいのかもしれないが、「見ていいのは俺だけだ!」は「きょうだい」の台詞では、ないだろう。

それは、恋人の台詞だ。そして自分は、彼女の恋人ではない。

彼女の甘い匂いのする華奢な身体を情欲を持って抱き締めることは出来ないし、そのふっくらしたおっぱいに顔をうずめて楽しむことも出来ない。ふにふにとした頬や、きっと甘いだろう可愛い唇を食み、啄ばんで愛を囁いてよい立場ではないのだ。




カナダが好きだ。恋人になりたい。




恋愛成就、とても単純な願望。
兄妹関係、とても複雑な立場。




「アメリ‥‥っ、ひゃッ?!」
「って言った傍から!!」

ふわりと一瞬視界を流れたメイプルシュガーカラーの流体に、アメリカは殆ど反射で腕を伸ばした。ぐっと抱き取った、細く柔らかな腰。腕と腹筋、腰から下の全身に力を漲らせて体勢を立て直す。
そして一瞬後には、腕の中に愛しい彼女の身体。

「‥‥‥‥キミねぇ、本当、どうしてそうなのかな?」
「‥‥‥‥‥‥‥アメリカぁ」

転びかけたところをすんでのところで掬い上げて、アメリカはまるでため息のようにゆるゆると言葉を零す。
腕の中から聴こえる甘えるような涙声にアメリカは一度息をつき、柔らかな身体を抱き込んだまま、とりあえず歩道の脇へと移動する。
ストリートに沿う建物は多くがアパレル関連の店舗が入っているためか、ショーウィンドウは勿論外壁も綺麗に磨かれていた。そこまで彼女と自分を誘導し、どうにか人の流れから抜け出した。
自分とビルの外壁とで挟む形で立たせたカナダを、アメリカはもう一度やんわりと片腕だけで抱き寄せる。抱き締めは、しない。
しかし、腕の中のカナダはそのアメリカの体温にどこか安堵したように、そっと身体を凭せ掛けてきた。それから、ごく小さい、けれどこの距離であれば聴こえるだけの音量で、甘い声がアメリカの腕の中から届けられた。

「あの、ごめんね?それと、ありがと」
「‥‥‥‥いいよ、キミがおっちょこちょいなのは今に始まったことじゃないし」

ふんわりと甘いカナダの匂いが、アメリカを刺激する。それを出来る限り無視して、アメリカは平静を装い返答した。
確かに、彼女がふわふわとしたのんびり屋で、ちょっと目を離すのも怖いくらいにおっとりしているのは今に始まったことではない。それはアメリカが「きょうだい」として一緒に暮らしていた頃から変わらないし、だからこそ、アメリカは彼女を守りたいと思い、目が離せないと思い、‥‥抱き締めて、愛したいと思うようになったのだ。

彼女の恋人になりたい。心底そう思う。

恋人になったからといって四六時中一緒にいることは出来ないことは解っているけれど、それでも、きょうだいではなく恋人になりたい。
彼女を守って、彼女を大事にして、愛を囁き、大切に抱き締めて、キスをして、それ以上も。

(‥‥‥‥‥‥‥‥おっぱい、揉みたいな。)

‥‥シリアス路線な語り口を漸く軌道に乗せた頃にこのような思考がぽーんとでてくるあたり、やはりアメリカはおっぱいが好きだった。‥‥だってまだ若いんだぞ?!これくらい普通だ、普通!!おっぱい好きで何が悪い!!

「カ、カナダ‥‥」
「ん、」

どうやら彼女のほうは少し甘えたい気分になっているらしく、アメリカの広く厚い胸にそっとしなだれかかるように身体を寄せている。
なるほどこのような場所で転ぶのは恥ずかしいし、きっとふかふかの絨毯の上で転ぶよりずっと痛い。それこそ怪我もしただろうし、買い物どころではなくなったかもしれない。怖い目に遭わなかったその反動なのか。助けてくれた優しいきょうだいに身体を寄せ、カナダはすっかりと力を抜いていた。‥‥そして、アメリカの腹筋辺りに、ふにふにと柔らかなものが押し当てられていた。




‥‥ああクソ、やわらかい。きっと顔を埋めたらあったかくて、揉んだら気持ちいいんだろうなぁ、白い肌を舐めて先っぽを指先で摘んでコリコリと押し潰したりして、硬くなったところを吸い上げたらきっと凄く可愛い声が‥‥って、




「スタァーップ!」
「ふぇ?!」

自分でも驚くほどに大きな声に、カナダのほうがより驚いたらしい。
ビクッと震えるなりアメリカの胸に腕をついて身を起こし、唐突に何に対するか(カナダにとっては)謎の制止の言葉を発したきょうだいを、びっくり眼で見上げて来た。‥‥そりゃ驚くだろう、彼女にとってはワケがわからない制止である。ストップ、俺の暴走。

「え、えっと、アメリカどうしたの?」
「え、あ‥‥‥‥な、なな、んでもない、ぞ?」

綺麗な金色の睫毛に縁取られた湖水色の目が大きく見開かれ、明らかになんでもなくはないアメリカを見上げている。
薄く開いたぷるぷるの唇と、身長差と身体の密着度から齎されるパラダイスな視界‥‥簡単に言えば服の襟元から見える胸の谷間から、アメリカは見入りたがる目をギリギリと音を立てて軋む理性を総動員して引き剥がした。‥‥可愛いチョコレートカラーの下着が見えた。クリームホワイトのレースリボンつき。脱がしてぇ。

「あの、アメリカ本当にどうしたの?さっきから変じゃない?‥‥あ、も、もしかしてアメリカのほうが怪我しちゃったとか‥‥?!」
「‥‥違うよ。大丈夫、心配しないで」

おっとりと彼を見上げてきていた表情から一転、転びかけた自分を無理やりにひっぱり起こして助けたことでアメリカが怪我をしたのではないかと顔をこわばらせたカナダに、アメリカは軋む理性をNASA特製ナイロンザイル並強度の良心と英国製のジェントルマンシップで補強し、彼女が好きな柔らかい笑顔で応じてみせた。頑張った、俺。よくできました。
それでもなお心配げにアメリカを見上げてくるカナダに、アメリカは笑顔を保ったまま一つ息をついて、気持ちを切り替える。

恋人になりたい。けれど、まだ恋人じゃないんだから。
恋人になるために、彼女に男として好かれなければならないんだから。
落ち着いて、好感度を稼いでいかないと。

もっとも好感度は、ある意味「きょうだい」として誰よりも高く‥‥いや、決して認めたくはないがイギリスの次、くらい、‥‥フランスあたりと同等程度には、高いはずだ。




(でもいつか、必ず一番好きにさせてみせるさ)




君の恋人に。そう、そのときまで。
抱き締めるのも、キスも、おっぱいも我慢。うん。

「ほら!もう行こうよ、今日はパンプスを買うんだろう?ああ、足とか痛めてないかい?」
「ん、平気」

ありがと、という甘くふんわりとした声に、アメリカは甘く甘く微笑む。
可愛いカナダ、愛してる。早く俺のことを好きになって。

「ね、アメリカ。‥‥腕、組んでいい?」
「いいよ。もう君に転ばれるのはまっぴらだよ」
「もう、うるさいなぁ。‥‥ふふ」

鈴を振るような可愛い笑い声の彼女をアメリカはそっと抱き寄せると、その手のひらを握り込むように取り、己の腕へと絡めさせた。きゅ、と緩く力が入れられる。腕が、ほんのりとした体温に温められて気持ちがいい。‥‥それに。

(やわらかい‥‥。おっぱいー)

アメリカの腕へ自分の腕を絡め、さらに逆側の手でアメリカの手首辺りをそっと握り身体を寄せてきているカナダ。かなり密着度は高い。‥‥つまり、さきほどまでアメリカの腹筋へと押し当てられていたやわらかな存在が、今度は腕にふにふにと押し付けられている、ということだ。
カナダがすれ違う人に出来る限り当たらないよう進路を確保しつつ、彼女の速度にあわせてアメリカはゆっくりと歩く。ときどき、チラッと斜め下にいるカナダを彼女に気づかれない視線で見遣った。
まぁ、彼女を、というか彼女の胸元の谷間を、だ。‥‥いや、うん、これくらいは!これくらいはいいだろう!?別に手をつっこんで揉みたいとかってわけじゃないんだし!!いや揉みたいけどすっごく!!と、これまた誰に対するものか謎の釈明を心の内側で呟く。しかも実際には釈明にすらなっていない。

「ねぇ、アメリカー。今日靴も選びたいんだけど、アクセサリも見に行っていい?あのね、この前すっごく可愛いダッカールクリップ見つけてね」
「ダッカール?何だい、それ」
「えっとね、でっかいクリップみたいなの。髪をまとめるときに使うんだよ。スワロフスキークリスタルがついててすっごい可愛いんだから!」
「ふーん。よくわからないけど、君がつけたらなんでも可愛いんじゃないの?」
「もう、なんでもとか、張り合いないなぁ」

どうやらアメリカの言葉を、興味の無さからくる適当なものと受け取ったらしいカナダは、少しだけ唇を尖らすようにむくれたあと、いいから付き合って!と話を締めくくった。アメリカとしては、本心から彼女が可愛いから何でも似合うよ、と褒めたつもりだったのだが。

「難しいなぁ」
「何が?」

きょとん、とどこかあどけない可愛いカナダが、アメリカを見上げてくる。

難しいよ、どうやったら君の恋人になれるんだろうね?
好きだって、愛してるって気持ちはこんなに簡単なのに。

「いろいろさ、いろいろ。‥‥ほら、前見て歩きなってば」
「もう、解ってるよ。それに腕組んでるもん、アメリカがいるし、もうコケないんだから」
「‥‥なんていうか、キミ本当天然だよなぁ」
「何が?」

なんでもない、と一言答え。
とりあえず今は、腕に当たるやわらかなおっぱいの感触と、甘くて可愛い彼女の存在そのものに、満たされることにしたアメリカだった。

‥‥いつか必ず恋人になって、このおっぱいを思う存分揉んでやるんだぞ!‥‥ああでもちょっとくらい触ってみたいその前に、っていうか見てみたいなーああもう、昨日のバスタオル邪魔。本気で邪魔。おしりチラもいいけどおっぱいがいいんだってば俺的には!おっぱい‥‥。先っぽの色何色だろー‥‥









因みに、彼女のおっぱいを拝む機会は期せずしてやって来た。ロンドン、元兄の屋敷にて。
何故か(本当に何故だ!!)セミヌードの彼女の驚いた顔、その彼女を抱き込んで隠す元兄の容赦の欠片もない銃撃から(リボルバーを6発全弾撃ち尽したと思ったらどこから取り出したのかまっっったく判らないサブマシンガンを50発フルオートで撃ち込まれた。屋敷の中であり得ない)、我ながら奇跡の如き反射神経で逃れて。何故かフランスと二人で。

「ちょ、あれ何なんだい?!な、なんでカナッ、イギリスと‥‥!うぅッ」
「はいはい坊や〜、落ち着こうねぇ?ていうか鼻血ふけ、鼻血。」




甘そうな唇よりちょっと濃いピンク色、だった。









  コンプレックス・ラヴ・ブラザー





the end.(2009.01.04.)

目指したのはおっぱいおっぱいうるさいメリカ(・∀・)
『パーフェクト〜』と話が繋がっています。
おっぱい大好き19歳。可愛いよね可愛いよ。
いつかちゃんと恋人になっておっぱいいっぱい触れるといいね!
ちゃんとえちー話も書いてあげるから待っててね!(笑)