ゴォゥンゴォゥンゴォゥン‥‥
「なあ一馬。寒いの嫌いか?」
「うん。」
「じゃぁこの電気ヒーター、ちょっと古いけどオマエを温めてくれるコレ、好きだよな?」
「うん。」
「それはオマエを温めてくれるものが好きってことだよな。ということは、だ。」
ギュゥゥ。
「‥‥という風にぃ、俺も一馬をあっためてあげられるよな。あったかいよな?一馬。」
「う、ん。まぁ‥‥こんだけくっついてりゃ‥‥」
「うんうん。あったかいよな。しかしだ。同じ様に一馬をあっためることは、俺だけじゃなくて、英士にも(それ以外のヤツは俺と英士の手により
抹殺
するのでこの場合除外)可能なことだよな。っていうかあの変態(酷。)のことだから『一馬、寒いって?俺が温めてあげるよ、
身体の内から外から隅々まで
。』とか言うに決まってるよな。うん。」
「‥‥う、‥‥んん?」←意味解ってない(笑)
「しかしだ。此処で『暖める』という機能からすれば、俺も英士も、この古い電気ヒーターには叶わないわけだよ。そうだろ?」
「‥‥そうだ、な。」
「そうなんだよ。‥‥そこでだ、一馬。」
「何?」
ゴォゥンゴォゥンゴォゥン‥‥
「この、電気ヒーターのくせにゴゥンゴゥンやったらうるさいこのヒーター。これ一馬、買って何年になる?」
「え?えっとぉ‥‥確か結人と知り合った年の冬だから‥‥7年前?あ、そうそう7年前だ。オマエがウチに泊まりに来るからって、親が買ってくれたんだった。まだ英士とは知り合ってない頃だから、オマエと2人だったよな。」
「うんうん、そうだよな、俺も覚えてる。一馬んトコのおばちゃんには本当感謝だよ、俺寒いのキライだもん。オマエもだろうけど。‥‥このヒーターとは長い付き合いだよな。」
「うん。」
「結構気に入ってるよな。」
「まぁ‥‥付き合いも長いし。」
「ゴゥンゴゥン煩いけど好きだよな。」
「うー‥‥ん?まぁ、そうかも‥‥。」
「もし此れが明日捨てられてたら哀しくないか?」
「‥‥そうだな、哀しいと思う。こんなでも、ずっと付き合ってきたんだし。」
「つまり、イロイロ欠点があるけれどそれを補えるくらい一緒に過ごした年月は重いってワケだよな。」
「‥‥そうなる、のか?」
「
なるんだよ
。じゃぁさ、もしここにあるヒーターが昨日買った物で、今日いきなり壊れてしまったってったらどうする?」
「どうするって‥‥修理に出す。」
「そうじゃなくて!なんかこう、古い電気ヒーターか壊れたときは哀しかったけど、此れが壊れたときは哀しいってより悔しいとか腹立たないか?」
「ああ、それはあるかもな〜。なんで壊れんだよ買ったばっかなのに!とか。」
「そう!そうだよな。‥‥ということは、だ。欠点を補えるくらいの愛情は、一緒に過ごした時間に比例するってことだよな!」
「‥‥ええっとぉ‥‥。」←もうついていけてない(笑)
「
俺がそうと言ったらそういうことだ!!
‥‥ところで、一馬。」
「え、な、なに。」
「俺と会ったのは何年前だ?」
「??7年前の春、だろ。俺がクラブに入団したときに知りあったんじゃんか。」
「んじゃ、英士は?」
「英士は〜‥‥っと、その次の年の、5月?英士が入ってきたのがそれくらいだったよな。」
「そうだ。つまり、英士よりも俺たち2人の付き合いは長いってことになるな?」
「うん。」
「
じゃぁ英士より俺の方が好きってことだよな!
」
「う‥‥ん?ええッ?!ちょっと待てッ何だソレ!?」
「つまりだね。
事実A:一馬はヒーターが好きである
Aより推察される事項A':一馬は自分を暖めてくれるものが好きである
事実B:俺(や英士。主眼はオレ様)は一馬を暖めることができる
A'及びBより推察される事項B':一馬は俺(や英士。あくまでオマケ)が好きである
事実C:長年使用した電気ヒーターが壊れると哀しい
架空条件での事実C':新品の同様物が壊れた場合腹はたつが哀しくはない
CおよびC'から推察される事項C'':愛情は時間に正比例する(強引だと?気にすんな、一馬には解んないだろ)
事実D:俺は英士より長く一馬と過ごしている
B'、C''、Dより導かれる事実
一馬は英士より俺(結人)の方が好き
以上。
‥‥‥‥解った?」
「え‥‥えーっと‥‥。」
「ん〜?一馬には難しすぎたかな〜ぁ?」←捕獲準備
「!!そ、そんなことないぞッ!理解した!!」←見事捕獲(笑)
「そっかそっか!じゃぁ俺のほうが好きなんだよな!!やっぱりなあんな
変態
よか俺の方が断然イケてるもんな!一馬は目が高いな〜♪」
「‥‥そ、そっか??そうなのか?俺結人の事が好きなわけ??」←騙されてる、騙されてるよ!
「そうそう、好きなわけ♪」
そんなこんなで、後日のこと。
「寒ぅ‥‥。」
「え、寒いの一馬?大丈夫??なんなら俺が暖めてあげるよ?
手とり足とり隅々まで
。」←ほらやっぱり言ってるよこの人は(笑)
「ん?いや別にいいよ英士‥‥‥‥って、ああ、そうだ。」
「
俺さぁ、英士より結人の方が好きなんだって
。」
「‥‥‥‥‥‥え゛。」
教訓:三段論法には気をつけよう。
vol.9 his syllogism 〜素敵無敵の三段論法
end.(11.13/2001)
「AはBである BはCである よってAはCである」
むしろ詐欺にちかい(笑)
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