1.ドイツ『まずは文化の理解から』
「最近、日本語を勉強しているんだが」
「おや、それはそれは。ドイツさんは勉強熱心ですね」
「ああ‥‥その、相手を深く知るためには言語的背景は不可欠だからな」
「お気遣いありがとうございます。教材は何を?」
「日本文学を逐語訳で。オウガイやソウセキを今は読んでいる」
「そうですか、では今度お奨めをお持ちいたしましょう」
「ありがとう。‥‥しかし、日本語は難しいな」
「あはは、海外の方はよくそうおっしゃいますね。何せ母国語の私ですら時折間違えますしねえ」
「で、だ。‥‥あー、その‥‥『月が、綺麗ですね』?」
「まだお昼ですのでお月様は見えませんよ?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥。」
「ドイツさん?」
「‥‥‥‥日本語は難しいな、本当に」
「そうですね難しいですね。ああ、ところでドイツさん」
「‥‥あ、ああ、何だ?」
「私も最近、ドイツ語を勉強しているのです」
「ほう、そうなのか」
「ええ。簡単な会話くらいならば出来るようになりました。‥‥ですから」
「?」
「ドイツさんのお言葉で、簡単な会話で言っていただければ、いいですよ?」
「‥‥‥‥日本、それは」
「私は私の言葉で、表現させていただきますが」
「今宵の月はきっと美しいでしょう。一緒に月見でもいかがですか?」
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